140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

向井さんは視線を落として、ポツリポツリと話している。

今にも氷になってしまいそうなほど冷たい体で真っ青な唇だけが動く。


元気になってほしい。

このまま、もっとたくさん話をしてほしい。

だけど。

いくら鈍感なあたしにだって、わかる。

話せているのが、おかしいくらいの状態なんだ。

きっと本人もわかってるんじゃないかな。


目を閉じたら、きっともう開くことはないって……
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