140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
あたしは…もっとマシなことを言ってあげたかったけど、なんだか上手く励ませた気がしなかった。
だけど向井さんは体中の水分を涙にしちゃったんじゃないかってくらいにカラカラに乾いた頬を涙で濡らして、
「そっか…ぁ。未来は、いいなぁ…思ったこと、言っていいのかぁ…」
そう、笑ってくれた。
「そうだよ!だから生きよう!生きて、帰って、戦争が終わった後の日本を見ようよ!」
「あぁ…、そうだなぁ…生きたいなぁ。死にたく、ないなぁ…」
「向井さん…っ」
「生きて、母ちゃんに謝りたいなぁ…本当の事、話したいなぁ…」
「話そう!お母さんも待ってるよ!お兄さんも、妹さんも!」
なのに、向井さんの瞼はどんどん下がってきて。
ろれつも、だんだんおかしくなってきている。