140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「俺、あれがらずっと考えでた。弥生ぢゃんが言っだこと。勝っでも負げてもあとで仲良くなんなら、本当にこの戦争は何なんだろうっでよ」
「阿久津さん……」
「俺ら、アメリカ人は人の姿をしだ鬼だって言われでここまで来てるんだ。けんどよ、本土にいた頃にゃジャズなんかも流行っててよ。ありゃアメリカのもんだろ」
「……」
「俺…どっかで思ってだんだ、本当にあいづら鬼なのかっで」
「阿久津、考えるな」
「だってよぉ、松田、俺らの着てる軍服だってよ、元はあっちのもんじゃねぇか。それにドイツが人間でアメリカが鬼って、俺にはさっぱり区別つがねかっだしよぉ」