140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「昇さん、明日、山根さんがこのままだったら先に行くんでしょ?」
「仕方ないが、そのつもりだ」
「じゃあ、あたしは山根さんとここに残る」
「え?弥生ぢゃん?」
「…………わかった。ゲニムまでは、この川沿いだ。ずっと西に向かって、大きな河にぶつかったら渡る。その先にある」
「おい!松田、何言っでんだ!」
「わかった」
「松田!」
阿久津さんがあたしを止めるのを、昇さんが遮った。
『何があっても守る』なんて言ったけど、不穏分子で役立たずのあたしにきっと愛想が尽きたんだ。
ロンTタオルの水分で少し落ち着いたような山根さんの横で、あたしは出会ったときからここまでの事を思い出して、肩を震わせた。