140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

そういえば、この辺り、甘い臭いがする。

花の香りじゃない。

知ってる、この臭い。

最初に嗅いだのは、裏山で死んだヘビを見つけたとき。

まだ小学生くらいで、干物のにおいに少し似てるなって思った。

でもそのあと、中耳炎になって。

自分の耳からその臭いがして、自分もあのヘビみたいに死んじゃうんだって、怖くて仕方なかった。

病気のおばあちゃんの家に行った時も、いつもこの臭いがしていて、怖かった。


こっちでも、途中に倒れていた人たちからこの臭いがすることがあった。
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