140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「レイワって、いい時代なのか?」


急に、山根さんがそんなことを訊いてきた。


「うん。嫌なこととか面倒くさいこといっぱいあったけど、戦争ないからね」

「そうか。戦争ないのか。いいなぁ…けど、それじゃ尚更、生きて帰れねえや」

「どうして?平和だよ、バカみたいに平和」

「だからだよ。俺は…人殺しだからな」

「……」


山根さんは……蓋を、していない?
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