140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

数日前に死にたくないって言って逝ったのは向井さん。

こないだ戦争に悩んでたのは阿久津さん。


みんな、別の人間だ。


軍人さんだからみんな同じ考えだったなんて、ないんだ。

それぞれがそれぞれの思いを抱えて、だけど選択肢がなくてただひとつの同じ道を選んだ、それだけのことなんだ。


「俺はよ、明治維新でちょんまげ切られたお侍さんの気持ちがわかるような気がするぜ」

「……」
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