140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

もう動かない山根さんを膝に抱えて、あたしはぼんやりと辺りを眺めた。


悲しいはずなのに、向井さんのときはあんなに乱れた心が、今はむしろ全然動かない。

死って、慣れるのかな。

それとも、麻痺してるのかな。


心の出入口が閉まってるみたいな感じ。

そのかわり、やけに視界がはっきりしていて、耳もクリアだ。
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