140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

ごめんね、山根さん。

あたしだけの力じゃ、山根さんが休めるだけの穴を掘ってあげられないや。

それに形見になるものも、たくさんは持てないから,ボタンだけちょうだいね。


……っていったって、あたしだってきっと何日かしたら死ぬんだろう。

死んだと思ったら元の時代に戻れた!って、マンガやドラマみたいなことが起これば別だけど、持って帰れるかは怪しいし。



山根さんの軍服からボタンを引きちぎった。

胸ポケットにしまおうとしたら、中になにか入ってるようで指が当たる。
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