140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「あ…」


昇さんのフィルムだ。

返しそびれてハーフパンツのポケットに入れてたのを、いつだったか軍服に入れ替えてたんだっけ。

すっかり忘れていた。


「これも…あたしがここで死んだら、せっかく撮ったのに無駄になっちゃうね……」


こんなふうに離れちゃう前に、ちゃんと返しておけばよかった。

そう思うのに、昇さんと一緒にいた証みたいに感じて、胸が熱くなった。


昇さんに、会いたいよ……
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