140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「山根えぇ~!!」

「あっ、おい!」


え!?

なんでふたりが!?


突然、茂みの向こうから阿久津さんが泣きながら飛び出してきて、それを止めるように身を乗り出していたのは、昇さんだった。


「弥生ぢゃん、こいづの最期、看取っでくれであんがとなぁ」

「昇さん、それに阿久津さん、先に行ったんじゃ…?」

「山根があの様子じゃ、お前が独りになって野垂れ死ぬだけだろう。お前に死なれては夢見が悪いからな」


昇さんが笑った。

笑ってくれた…!

「あまのじゃくも大概になぁ、昇さん?」

「よしてくれ、そんなんじゃない」


昇さんに会いたいって思ったら、本当に会えた!

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