140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
山根さんの眠る土に手を合わせたあと、あたしたちは日没まで進むことにした。
「これでお前もいっぱしの軍人だなあ、生男」
「弥生です!」
「ははは、こりゃいい夫婦漫才だ」
「めお…っ!」
「男同士だぞ、夫婦なもんか」
重たい空気を払うように、昇さんが刀を持ったあたしをひやかした。
それを阿久津さんが斜め上に膨らまして少し焦ったけど…
ああ、5人でいたときに戻ったみたいって、思った。
森の奥から、ふたりが笑う声が聞こえたような気がした。