140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
4 あの河の向こう
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川沿いの森に潜んで進むこと2日、とうとうゲニムを目前にした河まで着くことができた。
だけど天気はあいにくの雨。
晴れでもバケツをひっくり返したみたいに降るこの島の雨だけど、今日は空も薄暗い。
雷鳴も激しく轟いて、ドラムとか太鼓とかって悠長なレベルじゃない。
知らない人に背中をドンドンと叩かれてるみたいな差し迫った恐怖を感じる。
雨が川面を砕くように打つ様子も滝壷みたいで恐ろしさしかない。
「さすがにこれでは止したほうがいいだろうな」
「雷、すごいね…」
「お前が来てからはここまで鳴ったのは初めてかもな」
割れるような轟音は、頭上を掠める爆撃機を思い起こさせる。
こんな天気の時はそれも来ないから、ある意味じゃ一番平和で、安全ともいえる日。
それだけが救い。
向井さんと山根さんの携帯天幕で、寝袋を3つ覆える屋根を作った。
雨でもこれのおかげで凌ぎやすさが全然違う。
川沿いの森に潜んで進むこと2日、とうとうゲニムを目前にした河まで着くことができた。
だけど天気はあいにくの雨。
晴れでもバケツをひっくり返したみたいに降るこの島の雨だけど、今日は空も薄暗い。
雷鳴も激しく轟いて、ドラムとか太鼓とかって悠長なレベルじゃない。
知らない人に背中をドンドンと叩かれてるみたいな差し迫った恐怖を感じる。
雨が川面を砕くように打つ様子も滝壷みたいで恐ろしさしかない。
「さすがにこれでは止したほうがいいだろうな」
「雷、すごいね…」
「お前が来てからはここまで鳴ったのは初めてかもな」
割れるような轟音は、頭上を掠める爆撃機を思い起こさせる。
こんな天気の時はそれも来ないから、ある意味じゃ一番平和で、安全ともいえる日。
それだけが救い。
向井さんと山根さんの携帯天幕で、寝袋を3つ覆える屋根を作った。
雨でもこれのおかげで凌ぎやすさが全然違う。