140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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雨は強まったり弱まったりを繰り返して、時には天幕に穴が開きそうな勢いで朝まで降り続いた。

その音が銃声みたいで、なかなか眠れなかったし何度も目が覚めた。

昇さんと阿久津さんも同じだったみたいで、時々うーん、と唸っているのが聞こえた。


何度目かの目覚めで、阿久津さんが天幕から出ていくのが見えた。

まだ夜明け前には少し早いのに、どこ行くんだろ。


はじめはおトイレかな、くらいに思っていたけどなかなか戻ってこないから、だんだん心配になってきた。
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