140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
手には、大きな房ごとの……バナナ。
クリスマスツリーみたいだ。
「阿久津!バナナじゃないか!よく見つけたな」
「河を見だ時によ、向ごうのほうに葉が見えだから、朝んなっだら見にいぐべと思ってだんだけど、何度も目ぇ覚めで腹へっぢまっで」
「すごい…バナナってこんなにたくさん実がなるんだ」
雨のせいか少し潰れて傷んでるけど、バナナだ。
こっちに来て初めて見た。
南国ならバナナくらい普通にあると思ってたのにぜんぜんなかったんだよ。
畑は先に通った人たちが全部取りつくしたあとだったし。