140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

阿久津さんが一つもいでくれたバナナを持ったら、朝食バナナダイエットなんてものを思い出した。

毎日毎日、あたしはこのバナナを食べてた。

テレビの朝番組をぼーっと見ながら、牛乳で流し込むだけのダイエット。

あの頃はなかなか痩せなくて微妙だなとか思ってたウエスト、今は2週間たらずで緩々だよ。

ふふ、っと、ちょっと前の自分を馬鹿にするみたいな笑いがこみ上げてきた。


手の中のずっしりした重みに、ゴクリと喉が鳴る。

皮を剥いて、かじりつく。


……。
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