140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「未来ではね、バナナって、基本的に地味でぜんぜん主役じゃない果物なんだよ。イチゴとかメロン、ぶどうに桃って、オシャレで美味しいのがいっぱいあるから」

「そうなのか」

「うん。あたしも毎朝食べてはいたけど、ちょっと黒いとこあるとポイって捨ててたりしたの」

「それは罰当たりなごとを」

「うん…もしかしたらあたし、バチが当たってここに飛ばされたのかも…」

「あ、いやぁ冗談だ、冗談」

「神様がいるなら、謝りたい。あたし、他にもたくさん食べ物粗末にしてたの。ここに来て、雑草に虫まで食べるようになって、ああ、なんて幸せだったんだろうって…」
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