140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

前なら、バナナをありがたがるなんて絶対に考えられなかった。

だけど今、あたしの体はバナナひとつでこんなにも幸せに満ちている。


幸せ過ぎて震えるなんて、よくわからない例えだなとか思ってた。

でも例えなんかじゃなくって、本当に震えるんだ。


たかがバナナで、鳥肌が立って、震えてるの。


「まあ、その、なんだ。気付いたんなら、それでいいじゃねえが!ほれ、もっど食え、ウマイだろ?」

「ん…おいしい……」

「うん、旨いな」

「最高だ」
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