140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

昇さんがまた河に飛び込んで、阿久津さんの元へと向かった。

だけど阿久津さんの顔を見た途端、引き返してきた。

その様子を、あたしは他人事みたいに眺めていた気がする。


「行こう。風邪をひくぞ」


昇さんが、そんなようなことを言って、あたしの肩を重く叩いた。



その後、あたしたちは何事もなかったみたいに歩いた。

というか、何も考えたくなくて歩いた、が正しいかもしれない。


何も言わない昇さんのあとをただ黙々とついて行った。
< 341 / 481 >

この作品をシェア

pagetop