140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
昇さんがまた河に飛び込んで、阿久津さんの元へと向かった。
だけど阿久津さんの顔を見た途端、引き返してきた。
その様子を、あたしは他人事みたいに眺めていた気がする。
「行こう。風邪をひくぞ」
昇さんが、そんなようなことを言って、あたしの肩を重く叩いた。
その後、あたしたちは何事もなかったみたいに歩いた。
というか、何も考えたくなくて歩いた、が正しいかもしれない。
何も言わない昇さんのあとをただ黙々とついて行った。