140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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次の日、あたしたちは朝日を浴びて目覚めた。

晴れた朝は久しぶりだ。


「阿久津は……太陽みたいなやつだったな」

「そうだね」


本当に、太陽みたいだった。


太陽が、西に向かうあたしたちの背中を押すみたいに後ろから照らす。

阿久津さんがもう少しだ、頑張れって言ってくれているのかも。

くよくよしていられない。


足に力を込めて、一歩ずつ。

ゲニムは、すぐそこだ。
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