140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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盆地のような少し開けた場所が見えた時、昇さんが立ち止まった。


「昇さん、もしかしてここ……」

「ああ、おそらくな」

「着いたんだ!やったぁ」

「まだだ。このまま森で少し待機だ」

「どうして?すぐそこなのに」


ここへきて慎重な昇さんに、あたしは尋ねた。

いますぐにでも走っていきたいのに。
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