140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

タイムスリップなんてあり得ない。


この状況から察するに、きっとあたしは海でなにかあってここに運ばれたんだ。

それで、長い夢を見ていたって考える方が、自然だよね。


ということは、阿久津さんも、山根さんも、向井さんもいないんだ。

もちろん、昇さんも…


見送ったみんなが実在しなかったのなら、辛い死に方をした人がいないということ。

ホッとして涙がこぼれた。

だけど同時に、安堵の涙はすぐに例えようのない喪失感の涙へと変わった。
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