140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

支給の食糧が尽きたらその辺のものを食べて、時にはお腹を壊したり中毒になったりしながら、空から降ってくる銃撃や爆弾に当たらないように進むだけの毎日だった。


銃も持たないあたしたちは敵と遭ったところで一方的に乱射されて死ぬだけ、だからコソコソと隠れて逃げて、それでもサルミに辿り着きさえすれば、きっと武器も食糧もあって、じきに援軍がきて、きっと日本が勝つ。


そんな風に信じて歩いていたのに。

嘘でしょ……。
あたしは更に信じられないものを見てしまった。

サルミで、受け入れ拒否……?

同じ頃にそのサルミで戦闘があって、それどころじゃない軍はゲニムからはるばる歩いてきた兵の受け入れを拒否したなんてことが書いてあった。

そんなのって、そんなのって!
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