140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

あたしの気持ちとは裏腹に、現実はタイムスリップ希望者には優しくなかった。

過去への戻り方、なんて検索しても、SF小説やマンガの類が出てくるだけ。


当たり前だよね。

ニューギニア島に行くだけなら、ハワイに行くより近くて、しかもあたしがいた辺りとは時差もないらしいっていうのに。


だけど、途方に暮れて地図を眺めてたら、縦と横に線が引いてあるのに気がついた。

ああ、緯度と経度ね。


そんな風に漠然とした風でなんとなく線を辿る。

5度ずつに線が引かれていて、おもしろいことに北緯37度と東経140度が交わるポイントが地元にあるのが分かった。

切りのいい線が交わる所はそう多くはないからか、地味な観光スポットになっていて、ゼロポイント、なんて名前が付けられていた。

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