140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

2 戦争経験者

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歩けるようになったところで退院して、家に戻った。

久しぶりの制服に身を包んで、自分が令和の女子中学生なんだなと、ため息を吐く。


こうしてる間にも、あの時代のあの島では状況がどんどん悪くなっていって、最後には望みのサルミに受け入れてもらえないって悲劇に向かっているというのに。


あたしだけが、毎日あったかいお風呂に入って、ほかほかご飯におかず、蛇口をひねったら飲める水が出てくる場所でぬくぬくと生きている。

山根さんじゃないけど、別に人を殺したわけじゃないけど、それでも。

あたしだけがこうして何不自由なく暮らしてることに、ものすごい罪悪感がある。

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