140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
その男の人は、映画とかでおなじみの軍服を着ていた。
少し遠くて、顔がよくわからないけど、まだ若そうな雰囲気。
レトロなカメラといい軍服といい、もしかしたら映画の撮影か何かかもしれない。
それにしたって、天文台にいるはずのあたしがこんなところにいる意味は全くわからないけど、とにかくこの人に訊けば何かわかるかも!
「ちょ…」
…ちょっと、と声を掛けようとして、またさっきと同じめまいに襲われたあたしは、次の瞬間またしても真っ暗闇の中に飲み込まれてしまった。