140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
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晶の部屋は2階。

おじいちゃんは1階。

降りて行ったら、部屋にはいなくて、陽の当たる縁側に出て、ゆらゆらと体を揺すっていた。

おじいちゃんおじいちゃんと言っているけど、実際にはひいおじいちゃんだ。

かなりヨボヨボな感じで、本当に話が聞けるのかと心配になる。


「あの……」

「あ、ああ、ああ。よーぐ来だなぁ」

「えっと」

「ささ、入れ、すぐに茶をいれさせっがら」


なにか、まるで誰かと勘違いしてるみたいな丁重な歓迎を受けて、面食らう。

おじいちゃん、誰が来たと思ってるんだろう?
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