140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
おじいちゃんが、いそいそと押し入れへ向かい、中から漆塗りの文箱を出してきた。
「この写真は、おじょうさんのだんべ」
「え?」
そう言っておじいちゃんが文箱から取り出した写真を見た時、あたしは息が止まるかと思った。
「こ……れ……」
それは、さっき晶が見せてくれた写真の一番最後にあるはずの写真だった。
つまり、昭和19年の4月、あたしと昇さんが初めて海で出会った時の写真。