140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

おじいちゃんが、いそいそと押し入れへ向かい、中から漆塗りの文箱を出してきた。


「この写真は、おじょうさんのだんべ」

「え?」


そう言っておじいちゃんが文箱から取り出した写真を見た時、あたしは息が止まるかと思った。


「こ……れ……」


それは、さっき晶が見せてくれた写真の一番最後にあるはずの写真だった。

つまり、昭和19年の4月、あたしと昇さんが初めて海で出会った時の写真。

< 397 / 481 >

この作品をシェア

pagetop