140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
あたしを人魚だと言って、昇さんが撮った写真……
「昇さん……っ」
思わず泣き崩れるあたしに、おじいちゃんがやけにスッキリと澄んだ声で、言った。
「まづだのぼるはぁ、ひどつ上のアニさんだ。アニさんは、お国を守る為に南の島で英霊様になりなさっだ」
「おじいちゃんの、お兄さんなんですか!?」
「そうだぁ。優ーぁしぐで、頭のいいアニさんだ」
松田…そうか、最後に昇さんが名乗ったときに言ってた「町田」が、本当の名字で、阿久津さんの訛りであたしが勝手に「松田」だと思ってしまっていたんだ。