140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「おじいちゃん、なんでこの写真に写ってるのがあたしだと思うの?」

「なんでって……そんなの、すぐにわかっぺ。そこでアニさんが笑っでら」


おじいちゃんは晶を嬉しそうに眺めて、歯のない口でにんまりと笑った。

まるですぐそこに昇さんがいるみたいに。

もしかして、おじいちゃんには晶が昇さんだってこと分かっているのかも。



「もう、明日で76年も経づんだな」

「明日!?今、明日って言いました?明日、何があるんです?」

「アニさんの命日だ」

「そんな!ごめんなさい、あたし失礼します!」

「あっ、待てよ弥生!」

「ごめん晶!でもあたし行かなきゃ!」
< 400 / 481 >

この作品をシェア

pagetop