140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「おじいちゃん、なんでこの写真に写ってるのがあたしだと思うの?」
「なんでって……そんなの、すぐにわかっぺ。そこでアニさんが笑っでら」
おじいちゃんは晶を嬉しそうに眺めて、歯のない口でにんまりと笑った。
まるですぐそこに昇さんがいるみたいに。
もしかして、おじいちゃんには晶が昇さんだってこと分かっているのかも。
「もう、明日で76年も経づんだな」
「明日!?今、明日って言いました?明日、何があるんです?」
「アニさんの命日だ」
「そんな!ごめんなさい、あたし失礼します!」
「あっ、待てよ弥生!」
「ごめん晶!でもあたし行かなきゃ!」