140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
聞き覚えのある声。
そしてこの時代であたしをこの名前で呼ぶ人は、ひとりしかいない。
あたしが思うよりも先に、涙腺がその人が誰なのかを理解した。
瞬きもできずに見開いた目から、涙があふれ、頬を伝っていく。
涙を拭くのも忘れて、その声を反芻する。
弥生、弥生、弥生……
緊張で体がうまく動かなくて、あたしはスローモーションみたいにゆっくりと、少しずつ振り向いた。