140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「未来ではね……フレームはこうやって作るんだよ」


あたしはまた嘘をついた。

昇さんの両手の指が作った四角いフレームの片手をそっとはずして、自分の指をぴったりくっつける。

人差し指を曲げて。


あたしと昇さんが指で作ったハートの中で、南十字が瞬いていた。


好きなんて、言わないから。

これくらいは、許して……

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