140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「昇さん!?」


ハートを作った指も、腕も、だらりと力を失って、あたしの膝に落ちた。

昇さんの体から力が抜けていくみたいで、支えられないほどに重くなっていく。

あたしはこらえきれなくて、一緒にそのまま倒れるみたいに土に転がった。

そのまま、満天の星空の真下、耳元で浅い呼吸をくりかえす昇さんを抱きしめる。

時間だけが過ぎて、昇さんの呼吸はどんどん小さくなっていく。


「あたしは…名誉なんかじゃなくって、なんにもなくってもいいから、ただ、ずっと一緒にいたかったよ……どこにも行かないでほしいんだよ…ひとりに…しないでよ……」

「、…………、………、…………、…」

昇さんの唇がなにか言いたげに動いて、だけどあたしには聞き取れなかった。

昇さんの次の呼吸は、いつまで待ってもなかった。

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