140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「昇さん、わかんないよ……」
あたしはこの瞬間が来た時、もっと取り乱すと思っていた。
気が狂ってしまうんじゃないかって、思っていた。
だけど実際は、逆だった。
まるで感情の扉が防水仕様にでもなったみたいに、何も漏れないほどに閉じている。
まだ生きているみたいな温かい頬に触れてみても、悲しいとかいう感情は、出てこなかった。
面白いくらい、何も感じない。
心が、機械にでもなったみたい。