140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

そんなことを言って晶が青空に向かって両手をぐーっと伸ばした。

その指先は、ハート型のフレームを作って。


「これの意味くらい、知ってたよ。お前、昭和19年の男バカにしすぎ」

「あ……」


ああ、それ…………

あの時の……じゃあ、あたしの気持ちも知って……


昇さん…っ。

昇さんなんだ。

本当に本当に、昇さんなんだ……っ!


目の前にいるのは晶だけど、笑顔と、仕草は見れば見るほどに昇さんだった。

涙が溢れて、晶の顔が滲んでよく見えない。
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