140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

『血色の悪い弥生にどうしても軍服を着せたくなってしまって!写真展に出したくて!』


なんと、自分のしたことにしたのだ。

しかも、こんなふざけた理由をでっちあげて。

当然、こってり絞られたし、親も来るわの大騒ぎ。


あたしが怒っていないことで収まりはついたけど、こっちの親が気にしなくても晶の親があたしや親に平謝りで、見ていられなかった。


それでも無事、みんなの思いが詰まった軍服が戻ってきた。

ひとつひとつ、口の閉じるビニール袋にしまわれて。

軍服上下に、ちぎった山根さんのボタン、昇さんのフィルム……それに、向井さんの刀。
< 473 / 481 >

この作品をシェア

pagetop