140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「おじゃましまーす」


おじいちゃんは、玄関に腰掛けていた。


「あ、ああ、ああ。よーぐ来だなぁ」

「えっと」

「ささ、入れ、すぐに茶をいれさせっがら」


おじいちゃんは、あたしを初めて見たみたいに丁寧に招き入れ、前と同じようにいそいそと自分の部屋の押し入れへ向かい、中から漆塗りの文箱を出してきた。


「この写真は、おじょうさんのだんべ」



昇さんのカメラ、「また」届けられていたんだ。


晶とふたりで顔を見合わせて、くす、と小さく笑いあった。
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