140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「形見……、返しに行ったら、阿久津の実家も行こう」
「うん。そうだね…って、家、知ってるの?」
「世間って案外、狭いんだよ」
「えっ、それってどういう……」
ニヤリと笑って晶がカシャリとシャッターを切った。
「あ!だから変な時に撮らないでってば!もう」
「昇の時は1枚しか撮れなかったからね」
前はすごく嫌だったけど、もう嫌じゃない。
でも照れくさいから、まだ嫌がっておこう。
そんなことを考えてたら、構えたカメラを降ろした晶が、真面目な顔であたしに言った。