140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

茂みの中は足元がぬかるんでいた。

そこにうつ伏せになり、あたしは泥で顔も服もぐちゃぐちゃになる。


口の中にも泥が入りそうで、必死に横を向いた。

蒸し暑さでムっとする泥と草の臭いが鼻に入ってくる。


「うっ」


背中に、どしんと男の人がまたがった。

顔を横にしてるところに胸を上から圧迫されて、息が苦しい。


体の線を服の上から叩くようになぞっている。

たぶん、あたしが武器を持っていないか、調べているんだ。

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