140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
「諜報機の類か」
「それはっ、スマホといって、未来の電話なんです」
「電話!?これがか?苦しい嘘だな」
「嘘じゃないです!あっ、でも昭和19年じゃ電波ないんで使えません」
「そうやって頓珍漢なことを言う。やっぱり嘘じゃないか」
「違いますっ!あと、カメラにもなるんです」
「やはり諜報機だな」
「貸してください、やってみせますから」
「駄目だ。援軍を呼ぶに違いない」
「んもう!スパイって、捕まったら喋る前に自殺するとかでしょ?あたしがもしスパイだったとしても、援軍なんか呼ばないし呼んでも来てくれないですよ。スパイなんて使い捨てでしょ?むしろ来たらそっちに殺されますよ。あたし死にたくないんで自殺とかもしないし。ただ信じてほしいだけです!」