140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

「諜報機の類か」

「それはっ、スマホといって、未来の電話なんです」

「電話!?これがか?苦しい嘘だな」

「嘘じゃないです!あっ、でも昭和19年じゃ電波ないんで使えません」

「そうやって頓珍漢なことを言う。やっぱり嘘じゃないか」

「違いますっ!あと、カメラにもなるんです」

「やはり諜報機だな」

「貸してください、やってみせますから」

「駄目だ。援軍を呼ぶに違いない」

「んもう!スパイって、捕まったら喋る前に自殺するとかでしょ?あたしがもしスパイだったとしても、援軍なんか呼ばないし呼んでも来てくれないですよ。スパイなんて使い捨てでしょ?むしろ来たらそっちに殺されますよ。あたし死にたくないんで自殺とかもしないし。ただ信じてほしいだけです!」


< 91 / 481 >

この作品をシェア

pagetop