140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空

馬乗りの男の人に必死で説明を試みる。

文字通り必死。


だって信じてもらえかったら、きっと最終的には殺されてしまう。

唇についた泥の味が最後の晩餐なんて、嫌すぎる…


「わかった。ではどうやって使うか言え。俺が操作する」

「指紋認証だから、あたしじゃないと使えないんです」

「指紋?指か。わかった、どの指だ?切り落として使おう」

「切らないで!指、出すので切らないで!」



本気か嘘かわからないような脅し文句も、今は全く油断できない。

全部本気と思ってかからないと、本当に指を切られかねない。

心臓がドキドキする。
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