悪魔少女
ノエルはしばらくぼんやりした頭で考えた後、「あ!」と叫んでベッドの上に立ち上がる。

「お祭りの日!!」

「正解!!」

ノエルとキキの国では、一年の始まりを祝う盛大なお祭りがある。お祭りは一週間ほど続き、今日はその初日だ。

「みんなもう遊びに行ってる。早く着替えて!」

「わかった」

キキが部屋から出た後、ノエルは急いでフリルのついた黒いワンピースに着替えてコートを手にする。

「お待たせ!」

「早く行こう!」

二人は手をつなぎ、大きなお屋敷から賑わう通りへと飛び出した。



ノエルは、キキのお屋敷で暮らしている。キキは名家のお嬢様だ。ノエルより一つ年上でしっかりしている。

ノエルは、もともと山奥の村に家族と住んでいた。キキは毎年夏になるとその胸にある別荘に遊びに来ていて、ノエルはキキとよく遊んでいた。

しかし、ノエルが十歳の時に村に殺人鬼が現れ、銃を乱射していった。ノエルは家族を殺され、キキも命を失いかけたが、キキは奇跡的に助かった。そして、ノエルはキキの家に引き取られ、キキとは親友でもあり家族でもある関係を築いている。
< 3 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop