再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~
あわてて菜莉を探す。

受付から見えにくい位置にまた座ってた菜莉は、俺を見つけたのか、入り口に向かって歩き出した。

まぁわかんだけどな。俺とつきあってるってバレたくないのは…
けど、もうそろそろいいんじゃないかって…思ったりもする。

俺も足早にホールを出た。

菜莉に追いつく。

「待てよ。」

さりげなく横を歩くけど、ちょっと歩を速める菜莉。

「まだみんないるし、バレちゃう。」

俺がさりげなく、菜莉の手をとろうとすると、こんなこと言う。

「あ、うん。そうだな。」

菜莉がかたくなに手をぎゅってしてつなごうとしてくれなくて、そういうしかない俺。

やっぱバレたくないか…

「昨日俺、池永に会ったぞ。」

「え?」

菜莉がこちらを向いた。

「言っといたからな。俺たちつきあってるって。」

「そ、うですか…。」

菜莉としても言いにくかったんだろうと思う。

高校のとき別れて、二度とあんな男に近づくなとか池永は菜莉に言ってたんだろうし。

そんな男とまたつきあいはじめたなんてなかなか言えなかったに違いなかった。


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