天然美女との過ごし方(仮)
それから俺はすぐに行動した

正しかったかどうかなんてわからない

桜ちゃんを救いたい一心だった

まず空に聞いた

『……やっぱり傷からの出血だったんだ』

『じゃあ知ってたのか?』

『中学生のとき。体育のとき着替える度にトイレに行くから問いただした時があったの。でも桜は大丈夫、いつものお父さんは優しいからって』

『お父さんがやってんのか』

『桜の家お母さんいないから』

『俺今日桜ちゃんの家行くわ』

『は?!じゃあわたしもいく!』

『お前は危ないから……』

そこまで言ったのをさえぎって空は

『桜が心配なの。今までなにもしてあげられなかったし、お願い……』

『……わかった。その代わり危ないって思ったら逃げろよ』

そんな約束をして迎えた放課後

保健室から戻ってきた桜ちゃんが俺らに聞いてきた

『……あの……その……見ちゃった?』

恐らく傷のことだろう

『……なにも見てないよ?なんのこと?』

空は少し驚いていたけどこの後の作戦のためだ

『あ、私帰るね。太陽くん今日運んでくれたみたいでありがと、ごめんね』

そう言って走り出した桜ちゃんを俺と空は少し距離をとって追いかける

桜ちゃんは家に帰るまで急いでいるのか1回も足を止めることなく走っていた

そして家の前で手をギュッて強く握って深呼吸をしていた

きっと毎日やられていたんだろう

だからきっと今日もこれからやられることがわかっているんだ

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