天然美女との過ごし方（仮）

太陽side

桜がハチマキ交換したがってることくらい知っていた



体育祭の季節ともなると中高一貫校のこの学校の生徒たちはハチマキをカレカノで交換している


中3の去年は空が



『みてー桜と交換したー』


『交換したいなら言えばいいのにー』


なーんて見せびらかして俺をいじってきた


そもそも誰にも桜のことが好きって言ってないのに空はさすが幼なじみだ


同じクラスになれた今年こそは交換できる


そう思っていたのに俺がヘタレなせいで何故か避けて避け返してなんてことになっていて……

本当だったら


『桜、ハチマキ交換したいんだろ？』


『うん、太陽くんありがとう』



……なーんてなってたりしてたかもしれないのに



……って俺とんでもない妄想を。



でも頑張ってそれとなく


いや無理やりハチマキ交換して


桜は空たちにいじられて逃げるように教室を空と共に飛び出してった


俺らも外に向かうと


桜は人の多さにやっぱりびっくりして男子も多いから不安そうだった


俺が桜の耳元で囁くとなんだか不満げな顔をしていた


そりゃそうだ


散々避けてきたのに今更こんなことしてんだから。