一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「私の顔見に来ただけなら早く帰りなさいよ。大丈夫、そう簡単にくたばらないから。晩御飯はなにか食べた?」
帰国したばかりの兄を気遣うと、彼は小声で答えた。
「いや……まだ」
「ラーメンとかでよければ作るよ。本当はもっと凝ったもの作ってあげたいけど、今日遠出してて食材がなくって」
立ち上がってキッチンに移動する私に、兄は思い出したように言う。
「そう言えば、お前と匡に電話かけたけど繋がらなかった。どこへ行っていたんだ?」
「静岡。砂金採りもしたの。今日は水族館に行ってイルカのショーとか見てきたんだ。すごく楽しかったよ」
ニコニコ顔で報告したら、兄は少し表情を険しくした。
「匡とふたりでか?」
「そう」
ニッコリと笑って返事をすると、兄はポツリと呟くように言った。
「そっか」
いつもなら、“匡とふたりでなんて危険だ”とか煩く言うのに、今日の兄は違う。
帰国したばかりの兄を気遣うと、彼は小声で答えた。
「いや……まだ」
「ラーメンとかでよければ作るよ。本当はもっと凝ったもの作ってあげたいけど、今日遠出してて食材がなくって」
立ち上がってキッチンに移動する私に、兄は思い出したように言う。
「そう言えば、お前と匡に電話かけたけど繋がらなかった。どこへ行っていたんだ?」
「静岡。砂金採りもしたの。今日は水族館に行ってイルカのショーとか見てきたんだ。すごく楽しかったよ」
ニコニコ顔で報告したら、兄は少し表情を険しくした。
「匡とふたりでか?」
「そう」
ニッコリと笑って返事をすると、兄はポツリと呟くように言った。
「そっか」
いつもなら、“匡とふたりでなんて危険だ”とか煩く言うのに、今日の兄は違う。