一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「はい、食べます!」
集中してラーメンを食べる兄を見て、匡が乾いた笑いを浮かべた。
「……璃子、お前の調教凄いな」
「失礼ね。調教なんかしてません」
反論しつつ、冷蔵庫を開けて、チーズやサラミを取り出してお皿に並べると、テーブルに置いた。
「私もビール飲もうかな」
匡が美味しそうに飲んでるのを見て呟くが、兄がギョッとした顔になる。
「璃子、それはちょっと……」
病気なんだから飲むなって?
はいはい、言ってみただけだよ。
冷蔵庫を開けてペットボトルの水を取ろうとしたら、匡も渋い顔をして……。
「璃子は水かジュースにしとけよ」
冷蔵庫を開けてペットボトルの水を取ろうとしたのだけれど、匡も私にお酒を勧めないので少しムカついた。
考えてみたら、ホテルでもビールじゃなく烏龍茶を私に出したよね?
いつだって子供扱い。
「煩い」
仏頂面で言って、匡のビールを取り上げてゴクゴクと一気に飲み干す。
< 126 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop