一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「お前……」
呆気に取られた様子の匡に見せつけるように缶をグニャッと握り潰した。
「もう大人なんで、私だってビールくらい飲めます」
匡に向かってそう言い放つが、顔が歪んだ。
うわ〜、不味い。
やっぱりビールは好きじゃない。こんなのみんなよく美味しそうに飲むな。
「お前……バカ。後でどうなっても知らないぞ。吐いたら辛いと思って、昨日ラブホではビールあえて渡さなかったのに」
匡が額に手を当てながらじーっと私を見据えると、兄がテーブルに身を乗り出した。
「は?ラブホ?どういうことだ、匡?」
あたふたする兄とは対照的に匡は淡々と返す。
「そんな怖い顔するなよ、京介。別に璃子を襲うためにラブホに行ったんじゃない。豪雨で車を走らせるのが危険だったから、仕方なくラブホで休んだだけだ」
匡の話を聞いても、兄は『ラブホ』というワードにショックを受ける。
「でも、璃子とラブホなんて……」
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