一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
今にも失神しそうな兄を冷ややかに見て、匡は衝撃的な発言をした。
「お前、そこを気にするなら、璃子がうちにいることをもっと突っ込めよ。抱こうと思えばどこでだって抱ける」
私を抱く気なんてないくせにそんなこと言わないでほしい。
無神経な匡をチクリと注意した。
「匡、お兄ちゃんをあまり刺激しないの。お兄ちゃんも匡の言うことにイチイチ動揺しない。匡は私みたいなお子様には絶対に手を出さないわよ。ラブホ泊まってもなにもなかったし。カップ麺食べて、疲れて寝ただけ」
私の説明に兄は安心したのか胸を撫で下ろす。
「そ、そうか」
「でも……キスくらいはしたかもしれないな」
匡が私の方を見てうっすら口角を上げた。
その発言に血の気がサーッと引いていく。
う……そ。
まさかと思うけど、匡……私のキスに気づいてた?
ううん、彼はぐっすり寝ていたはず。
ただお兄ちゃんをからかっただけだよね?
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