一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「おばさん、お待たせして申し訳ありません」
俺もテーブルに着くと、おばさんは恐縮した様子で謝る。
おばさんはラベンダー色のツーピースを着ていた。
「ううん、こちらこそ忙しいのにごめんなさいね。匡君、スーツ姿だと見違えちゃって、なんだか遠い人のような気がするわ」
緊張した面持ちのおばさんににこやかに微笑む。
「そんなことないですよ。ここ、コースメニューがあるんですが、それでいいですか?」
「ええ。お任せするわ」
おばさんが頷くと、店員にコース料理を頼んだ。
すぐに前菜が運ばれてきて、先週末行った旅行の話をおばさんに話して聞かせる。
少しでもリラックスしてもらいたかった。
「璃子がどうしても砂金採り体験をしたいっていうからやってみたんですけど、彼女はなかなか取れなくて、最後に二粒見つけた時はとても興奮していましたよ」
にこやかに璃子の話をすると、おばさんは苦笑いした。
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